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Projects 05:
M3 Education 医科マーケティング
医学生や看護学生向けに質の高い教材を作り上げるためには、医師の協力が欠かせない。医科事業本部医科マーケティンググループの駒井翼は、救命救急の最前線で医師として活躍する傍ら、エムスリーエデュケーションの看護学生向けの国試対策を指導する講師を務め、2024年1月に正社員として入社。臨床医としての知見を活かしつつ、教育へ携わるキャリア転換の背景には、「医学教育を変えたい」という強い思いがあった。
エムスリーエデュケーションに加わる前は、急患がひっきりなしに来る救命救急の循環器内科で6年間、医師として働いてきました。現在は医師資格を持つ社員として、マーケティング業務にあたっています。
医師免許を持っていて、給料も医師の方がいいのにどうしてエムスリーエデュケーションに入社したのかとよく聞かれるのですが、学生時代から医学教育に対する課題意識を持っていたからです。
もともと医学部受験前に通っていた予備校の授業が、とてもわかりやすいし丁寧に教えてくださる先生が多かったので、講師に対する憧れを持っていました。
しかし医学部に入学してからは、医学の内容が非常に難しく、正直大学の授業についていくことができませんでした。
楽しく勉強していた医学部受験前と、医学部入学後のギャップを目の当たりにしたことが医学教育に関心を持った原点で、将来的に何らかの形で、医学教育に関わりたいと思っていました。
救命救急の現場で6年間働いたタイミングで、医学教育に関わって日本の医療を良い方向に変えていく挑戦に身を投じたいと思う気持ちが強いと改めて感じ、転職を決意しました。
エムスリーエデュケーションでの最初の仕事は、看護学校での出張講義を担当させてもらったことです。講義をするにあたって心掛けていたのは、「そもそもの話」から始めること。
心臓だったら心臓、肺だったら肺というふうに、臓器別に教えるのが一般的な医学の授業ですが、私は「そもそも人間はどうして生きているのか」「人間の身体は細胞からできているけれど、その細胞が生きていられるのって、酸素と栄養を取り込んで二酸化炭素などを捨てているからだよね」という、小学校の理科で習ったような、言われてみれば当たり前なんだけど、意識していないようなことから話を展開していくような授業をしていました。枝葉ではなく、幹の話から知識を広げていく講義スタイルを大切にしていたんです。
このスタイルが、エムスリーエデュケーションがこれから作ろうとしていた教材のイメージと見事に合致していたようです。当時たまたま私の講義に足を運んでくれていたCEOの野中に「一緒にやりませんか」と声をかけてもらい、業務委託で講座の企画から携わるようになりました。
初めて企画を任せてもらえたとき、「これでお金もらっていいの?」と思うくらい楽しくて。教材の良し悪しは設計段階で大方決まるので、視ている人がどんな動画だったら嬉しいか、わかりやすいかなど、そこから関わらせてもらえることにものすごくやりがいと面白さを感じました。
ここまで話してきたような経緯で、このインタビューを受ける1か月前、正式にエムスリーエデュケーションに入社しました。今は講師の業務に加えて、マーケティング領域を担当しています。
マーケティングの業務は主に医学生向けの教材の販促で、LINEやメールマガジンの執筆、ランディングページの作成、SNSの運営などです。
業務の範囲は多岐にわたりますし、医師の仕事とは全く違う世界なので本当に苦労しています。正直に言って、スキルの面で前職の経験が生きるシーンはほとんどありません。
例えばビジネスの世界では、クリエイティビティが求められる場面が多いですが、人命に関わる医療の世界では、クリエイティビティは求められません。「僕の考案した手法で手術を行いたいんだけど」なんてことは絶対にできないですからね。
医療の場合、クリエイティブなことをしようとしたら、人命に関わるので大変なことになります。もちろん、業務において医師それぞれの裁量の中での工夫はありますが、決まったことをより精度高く、ミスなくこなすことが求められるのが医療の世界です。
そのため臨床医としての現場では、常に次から次に来るタスクをより正確かつ適切に処理し続けることが求められました。
しかし、今の仕事は「時間をかければかけるほどタスクが進み、成果につながる」というものではありませんし、「かけた労力は関係なく、成果を出して初めて評価される世界」といえるでしょう。
このように価値の出し方が180度変わるので、全く新しい世界に飛び込んできたという状態です。入社して数か月、前職とのギャップに苦労しながらも、その状況自体を楽しんでいます。
日々新しい発見の連続です。先日は、自分の書いたメルマガがきっかけで、それまであまり動きのなかった教材が立て続けに売れるということがありました。ちょっとした工夫ひとつで、成果がこんなにも変わるのかと体感しましたし、やはり成果が出て初めて、それまで以上のやりがいや面白さを感じられるのだと痛感しましたね。
そして、「自分も医学生だった」という他スタッフには無い経験は、当社がターゲットとする医学生の気持ちがわかる、という部分で大きな強みになると実感し自信を持てました。この点も、キャリアチェンジして気付けた新しい発見です。
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