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第116回医師国家試験における採点除外等の取扱いとした問題について

2021/03/16

国試情報

■A 34
34 出生当日の新生児。在胎40週,体重3,020g,Apgarスコア8点(1分),9点(5分)で出生。助産師が外性器の特徴に気づき医師に報告した。外性器の外観写真(別冊No.8)を別に示す。鼠径部に腫瘤を触れない。
 両親への説明として適切なのはどれか。
a 「外性器が未成熟ですぐには性別を確認できない状態です」
b 「約1年の成長をみながら性別を確定していきます」
c 「これから確認をしますがおそらく女児です」
d 「染色体検査を行えば性別を確定できます」
e 「半陰陽といわれている状態です」

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,受験者レベルでは難しすぎるため。

■A 71
71 5歳の女児。3日前からの高熱を主訴に母親とともに来院した。咽頭痛と食欲低下を認めるが,咳嗽や鼻汁は認めない。体温39.6℃。脈拍120/分,整。呼吸数28/分。SpO2 100%(room air)。活気良好。顔色良好。眼球結膜に軽度の発赤を認める。咽頭の発赤を認め,口蓋扁桃に白苔の付着を認める。両側の頸部に径1.5cmのリンパ節を4個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
 可能性が高い疾患はどれか。3つ選べ
a 川崎病
b 溶連菌感染症
c EBウイルス感染症
d アデノウイルス感染症
e パルボウイルスB19感染症

採点上の取扱い
4通りの解答を正解として採点する。

理 由
設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため。

■B 6
6 治療後の経過に関して主治医以外に相談を希望する場合,助言や情報提供を行う施設はどれか。
a 保健所
b 福祉事務所
c 市町村保健センター
d 医療安全支援センター
e 地域包括支援センター

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。

■B 43
 次の文を読み,42,43の問いに答えよ。
 32歳の男性。左前腕を受傷し救急車で搬入された。
現病歴 : 飲酒した状態で入浴し,浴槽から出た際にふらついてガラス戸に倒れ込み,ガラス片で左前腕屈側に受傷した。物音に気付いた家人が上腕部をタオルできつく縛って止血し,救急隊を要請した。
既往歴 : 小児喘息の既往がある。
生活歴 : 喫煙は20本/日を12年間。飲酒はビール1,000mL/日。
家族歴 : 父親が糖尿病。
現 症 : 酩酊状態だが会話は可能である。身長172cm,体重67kg。体温37.2℃。心拍数84/分,整。血圧120/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。搬入時,上腕はタオルで駆血された状態で,創部からの出血は止まっていた。受傷から80分経過していた。眼瞼結膜に異常は認めない。
43 血液をふき取った後の創部の写真(別冊No.4)を別に示す。
 神経断裂を疑う所見はどれか。
a 創部の強い疼痛
b 指先の知覚脱出
c 腕橈骨筋反射の低下
d 手関節自動伸展が不可能
e 損傷部位より末梢の浮腫

採点上の取扱い
 採点対象から除外する。

理 由
 選択肢に誤りがあり正解が得られないため。

■C 36
36 65歳の女性。多発関節痛を主訴に来院した。5か月前に自宅近くの医療機関で関節リウマチの診断を受けた。B型およびC型肝炎ウイルス検査,結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉は陰性で,メトトレキサートとプレドニゾロンによる治療が開始されたが,症状が改善しないため紹介受診となった。多発関節炎を認め,生物学的製剤による治療の適応と考えられた。併存疾患はない。輸血歴,結核の家族歴や接触歴もない。末梢血白血球数,リンパ球数,血清IgG,胸部エックス線検査に異常を認めない。
 この患者で生物学的製剤による治療開始前に追加すべき検査はどれか。
a 抗EBNA抗体
b β-D-グルカン
c 抗アスペルギルス抗体
d 抗水痘・帯状疱疹ウイルス抗体
e 血中サイトメガロウイルス抗原

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,受験者レベルでは難しすぎるため。

■D 64
64 24歳の女性。持続する発熱を主訴に来院した。2か月前に37℃台後半の発熱が出現した。その他に症状はなかったが,発熱が持続するため受診した。体温37.8℃。脈拍92/分,整。血圧110/72mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。右頬部に動脈の走行に一致した圧痛と血管雑音を聴取する。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。表在リンパ節を触知しない。血液所見:赤血球数392万,Hb9.8g/dL,Ht30%,白血球14,300,血小板42万。血液生化学所見:尿素窒素13mg/dL,クレアチニン0.5mg/dL。CRP8.0mg/dL。
 この病態を評価するうえで適切でないのはどれか。
a 造影CT
b 動脈生検
c 造影MRI
d FDG-PET
e 頸動脈超音波検査

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,受験者レベルでは難しすぎるため。

■E 16
16 患者満足度を調査対象項目とするのはどれか。
a 患者調査
b 受療行動調査
c 病院機能評価
d 医療事故調査制度
e 産科医療補償制度

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,受験者レベルでは難しすぎるため。