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第116回医師国家試験 総評

2022/02/10

国試情報

第116回医師国家試験が終了致しました。昨年に引き続き、受験のプレッシャーの中で感染対策と体調管理にも気を張らなければならず、受験生の皆様の気苦労は相当のものだったと推察します。2日間大変お疲れ様でした。

今回の国試も例年の流れを引き継ぎ、もはや従来のような「疾患と治療を一対一で覚えていればよい」「とりあえず輸液、抗菌薬投与」といった状態で答えられる問題が減り、治療の優先順位、状況による治療の選択、輸液や抗菌薬の使い分け、薬剤の具体的な名称や投与経路、患者への説明、といったレベルまで押さえていないと自信を持って正答を選択できない問題が目立ちました。新出問題は毎年一定数出題されますが、このうち臨床現場に則した問題が増加している印象です。

例えばGBS陽性妊婦に対する抗菌薬投与のタイミング(A2)、ADPKDの治療(A22)、免疫チェックポイント阻害剤による免疫関連副作用(A35)、暴行を受けた女性への対応(A47)といった臨床医からすると常識的な範囲ではあるものの未出題のもの、緑膿菌に対する抗菌薬(A53)、SIADHの原因と治療(C60-62)といった既出テーマではありますが一歩踏み込んだもの、更にはCOVID-19に関連する抑うつ患者への対応(A26)やCOVID-19の治療(F55)といった世情を反映するものまで出題されました。また、公衆衛生についても地方衛生研究所(C25)、予防接種法(C29)、生活保護法(C30)、労働災害(C32)、産休育休(C35)といった既出のテーマではあるものの、過去問とは異なる側面が問われているものが散見され、難化したと言えます。

とはいえ、過去問をベースとした問題が占める割合は昨年と同様であり、地道な過去問演習で合格点が狙えた試験であることには変わりありません。これから国試を受験される医学生の方々は過去問が全て解けるようになるのに加え、周辺知識や臨床上のエピソードを臨床実習や講義などで臨床医から吸収し、知識を補強するのが最良と考えます。

必修につきましては、一般問題でやや難易度の高い問題も散見され、初めて計算問題が必修で出題されました。臨床問題は例年通りの難易度で、総じて昨年より軽度難化したと考えます。