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第112回医師国家試験における採点除外等の取扱いとした問題について

2018/03/19

国試情報

■A 43
43 38歳の女性。不妊を主訴に来院した。4年前に結婚し挙児を希望しているが,妊娠はしていない。6か月前に子宮卵管造影検査を受けたが,異常はなかった。5年前から月経痛があり,1年前から月経中に市販の鎮痛薬を服用している。月経周期は38~90日,不整。持続は5日間。過多月経はない。身長164cm,体重54kg。体温36.8℃。脈拍68/分,整。血圧110/56mmHg。腹部は平坦,軟。内診では,子宮は前傾後屈で正常大,可動性不良。Douglas窩に有痛性の硬結を触知する。右卵巣に有痛性の嚢胞を触知する。経腟超音波検査では右卵巣嚢胞の内部エコーは均一である。左卵巣に異常を認めない。右卵巣の経腟超音波像(別冊No.18)を別に示す。

 治療として適切なのはどれか。
a プロゲスチン療法
b クロミフェン療法
c GnRHアゴニスト療法
d 腹腔鏡下右卵巣切除術
e エストロゲン・プロゲスチン療法

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,受験者レベルでは難しすぎるため。

■B 30
30 31歳の1回経産婦。妊娠32週1日。性器出血を主訴に妊婦健康診査を受けている周産期母子医療センターに来院した。10日ほど前にも少量の性器出血があり,3日間の自宅安静で軽快したという。本日自宅で夕食作りをしていたとき,突然,性器出血があり,慌てて受診した。第1子を妊娠38週で正常分娩している。体温36.5℃。脈拍88/分,整。血圧102/62mmHg。来院時,ナプキンに付着した血液は約50mLだった。腟鏡診で計250mLの血液および凝血塊の貯留を認め,子宮口から血液流出が続いているのが観察された。腹部超音波検査で胎児推定体重は1,850g,羊水量は正常。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮はなく,胎児心拍数波形に異常を認めない。経腟超音波像(別冊No.3)を別に示す。
 対応として正しいのはどれか。

a 帝王切開を行う。
b 子宮頸管縫縮術を行う。
c 翌日の受診を指示し帰宅させる。
d β2刺激薬の点滴静注を開始する。
e オキシトシンの点滴静注を開始する。

採点上の取扱い
複数の選択肢を正解として採点する。

理 由
設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため。

■E 6
6 筋肉注射に適さないのはどれか。
a 三角筋
b 大殿筋
c 中殿筋
d 上腕二頭筋
e 大腿四頭筋(外側広筋)

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。