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第111回医師国家試験における採点除外等の取扱いとした問題について

2017/03/17

国試情報

■B 57
 次の文を読み,56~58の問いに答えよ。
 72歳の女性。発熱,咽頭痛および咳嗽を主訴に来院した。
現病歴 : 2日前から37℃台の発熱,咽頭痛および咳嗽が出現した。風邪をひいたと考え市販の感冒薬を服用したが,内服後6時間程度で再び発熱したため受診した。咳をすると両側のこめかみと腰に軽度の痛みを感じる。腹痛を下痢はない。
既往歴 : 45歳時に胆石症と胆嚢炎とで手術。60歳から変形性腰椎症と骨粗鬆症とで総合病院の整形外科を定期受診している。
生活歴 : 40歳まで縫製工場で工員,その後65歳まで同工場の給食調理。現在は家族の炊事を担当するとともに,地域のボランティア活動などに参加している。夫,娘夫婦および11歳と6歳の孫の6人家族。喫煙歴はないが夫が喫煙者。飲酒は機会飲酒。ペットは飼っていない。海外渡航歴はない。
現 症 : 意識は清明。身長154cm,体重68kg。体温37.3℃。脈拍80/分,整。血圧126/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は軽度に汗ばんでいる。両側の眼瞼結膜と咽頭後壁とに発赤を認める。後鼻漏を認める。両側の下顎角直下のリンパ節に軽度の圧痛を認める。頂部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟
で,肝・脾を触知しない。頭頸部,体幹および四肢に皮疹を認めない。両側下腿に軽度の圧痕を残す浮腫を認める。
57 この患者の病態を検討するのに,有用な所見が得られる可能性が高い身体診察はどれか。3つ選べ
a 脊椎の叩打痛
b 甲状腺の触診
c 四肢の腱反射
d 副鼻腔の叩打痛
e 腋窩リンパ節の触診

採点上の取扱い
 複数の選択肢を正解として採点する。

理 由
 複数の正解があるため。

■C 21
21 43歳の女性。歩行障害を主訴に来院した。小児期から走るのが遅く,すり足で歩いていたが,日常生活に支障はなかった。40歳ごろから階段を降りるのが難しくなってきたため来院した。患者の歩行姿勢の図(別冊No.1)を別に示す。
 障害されている部位はどれか。
a 頭頂葉
b 小 脳
c 脊髄側索
d 末梢神経
e 神経筋接合部

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。

■E 35
35 7か月の乳児の所見として異常を疑うのはどれか。2つ選べ
a 四つ這いができない。
b Moro反射が出現しない。
c Landau反射が出現しない。
d Babinski反射が出現しない。
e 顔にかけたタオルを取り除かない。

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
選択肢が不明確で正解が得られないため。

■F 3
3 リスボン宣言における患者の権利に含まれないのはどれか。
a 苦痛を緩和される権利
b 予防接種を受ける権利
c 他の医師の意見を求める権利
d 医学研究に参加することを拒絶する権利
e 自分に代わって情報を受ける人を選択する権利

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。

■G 34
34 臓器提供意思表示カードに記載されている提供可能な臓器のうち,脳死でのみ提供できるのはどれか。2つ選べ
a 眼 球
b 肝
c 膵
d 腎
e 小 腸

採点上の取扱い
採点対象から除外する。

理 由
設問が不明確で正解が得られないため。

■H 7
7 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」について正しいのはどれか。
a 疫学研究は指針の対象外である。
b 臨床研究は指針の対象外である。
c 研究者はこの倫理指針に関する研修会を受講する義務がある。
d 試料提供者本人の同意を得られない研究の実施を禁じている。
e 事前に研究結果が予測できないときは研究計画の立案を省略できる。

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。

■H 19
19 体液平衡の指標について誤っているのはどれか。
a eGFRは筋肉量の影響を受ける。
b 高ナトリウム血症は水分不足を意味する。
c 血清尿酸値の推移は水分状態の良い指標である。
d 血清尿素窒素〈BUN〉値は蛋白異化の影響を受ける。
e 血清Na値とCl値の差の開大は代謝性アルカローシスと判断できる。

採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め,不正解の受験者については採点対象から除外する。

理 由
問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため。