ワードの背景を知る「財務規律の強化」第37回国試新情報!国試対策 №33
今週も、「福祉サービスの組織と経営」から新ワードを取り上げます。
新出題基準の中項目「会計管理と財務管理」の中の小項目として、
「財務諸表の理解、財務規律の強化」があります。
この「財務規律の強化」が新しく登場したワードです。
固有名詞ではないので、少しとらえづらさがあるかと思います。
これがどういう内容なのかを、見ていきましょう。
「財務規律の強化」を一般的な企業のそれと考えると、
財務管理のルールや基準を遵守していくことですね。
収支バランスの維持、適切な資金調達や返済計画の作成、財務リスクの管理など、
企業が健全な経営を維持し、
中・長期的な成長を実現していくために重要な要素です。
社会福祉士の国試のために知っておきたいポイントとしては、
このことばが平成28年の社会福祉法人制度改革で重要視されていたことです。
社会福祉法の改正により,
制度改革が行われましたが(評議員会が議決機関になったのもこのときです)
改革の柱の1つがこの「財務規律の強化」でした。
具体的には、役員等法人の関係者への特別の利益を供与の禁止や、
「社会福祉充実残額」を保有する法人について、
その財産を使って社会福祉事業や公益事業を拡充するための計画を作成せねばならない、
と義務規定を設けたことなどがあります。
「社会福祉充実残額」
これも初めて見るとわかりづらいですが、
社会福祉法人が保有する財産のうち、
事業継続に必要な財産を控除したうえで残る再投下可能な財産のことです。
このような規定ができた背景には、それまで社会福祉法人がいわゆる内部留保を溜め込みすぎており、
社会貢献のための活用が進んでいないという議論がありました。
内部留保をきちんと明確化する、ということと、
その使いみちを計画にして有効に活用することが規定に盛り込まれたということになります。
(ここは、すでに国試にも出題されています)
健全な経営に加えて、社会福祉法人としての公益性や非営利性をさらに確保していくための
「財務規律の強化」であることを知っておいて頂くと良いでしょう。
こういったワードは背景から知ると、単なる暗記よりも頭に残りやすいですね。
ぜひ、覚えておきましょう。
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