「農福連携!」第37回国試新情報!国試対策 №18
こんにちは。
福祉教育カレッジです。
今回も先週に引き続き、「刑事司法と福祉」から新ワードを取り上げます。
今回のワードは「農福連携」です。
犯罪や非行をした者が、刑務所や少年院など矯正施設を出てから農業に従事することで、
自立・更生を目指していく取組みが「農福連携」です。
もともと、農業と福祉の連携は、主に障害者の就労支援という出発点から、
農林水産省と厚生労働省の連携によって推進されてきました。
農業・農村の持つ課題(従事者の減少や高齢化など)と
福祉(障害者などの支援)の持つ課題の双方を解決し、
かつ双方にメリットを生むことが期待されています。
ではなぜ、新しい出題基準で、司法科目の出題基準の1項目として、
このワードが取り上げられるに至ったのでしょう。
考えられる点を挙げてみると、
まず、「農福連携」がそれまでの障害分野での就労支援より幅広く、
犯罪・非行をした者の立ち直り支援などへ、対象を拡大したことがあります。
内閣府の農福連携等推進委員会が2019年に発信した「農福連携等推進ビジョン」では、
農福連携について「ユニバーサルな取組として、農業だけでなく様々な産業に分野を広げるとともに、
高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者等の就労・社会参画支援、
犯罪・ 非行をした者の立ち直り支援等にも対象を広げ、捉え直すことも重要である。」
と明記されています。
そして、刑事司法分野における課題解決への期待が挙げられます。
再犯防止に対する期待です。
法務省のデータによれば、
刑法犯で検挙された人員の約半数が再犯者で(令和4年時データ)、
さらに刑務所に戻った再犯者の約7割が無職者であるとのデータもあります。
こうした点からも、就労(や住居)を確保すること、
とりわけ一般就労と福祉的就労のはざまにある就労の確保が、
重点的な取組み課題となっているのです。
このようなことから農業分野との連携が期待されていると考えられます。
現在の課題として、矯正施設で、農福連携に関する指導を行うためのノウハウの不足、
関連団体で矯正施設退所者の受け入れへの不安などが法務省の資料には示されています。
退所者の地域生活を支えるために必要な取組みがまだたくさんあるということです。
マッチングにあたり、それぞれの身体・精神的な特性や作業スキルなどに沿ったアセスメントを行う、
あるいは社会資源の創出にかかわっていくことなど、福祉方面からできることも様々考えられそうです。
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