本書は,介護福祉士を目指される方や現場で介護に従事されている方に向け,受験や実践で必要となる用語をコンパクトな一冊にまとめたものです。収載用語数は約3,100 語であり,介護福祉士国家試験出題基準や,実際の国試問題で取り上げられた用語を中心に,出題頻度や重要度と照らし合わせて厳選しています。
国試においては,第24回から新しい教育カリキュラムが導入され,それまでの13科目が3領域12科目に再編されました。それらに対応し,倫理・介護実践に関する用語を多く取り上げ,今後の介護福祉士に期待される痰吸引や経管栄養といった医療的ケアに関する用語についても収載しました。
さらに,2019(令和元)年度より介護福祉士養成課程において新しい教育内容が導入され,国試では第37回より採用されることになりました。社会状況の変化や制度改正などを踏まえ,これまで項目として無かったリーダーシップやフォロワーシップ,今後も重要性が高まる地域ケアなどが加わり,教育内容の見直しが行われました。
本書では,これらの変化への対応に加え,ヤングケアラーやケアハラスメントなど,社会状況を反映する用語も掲載し,今後,より実践力の向上が求められる介護現場の皆様や,介護福祉士を目指す皆様の一翼を担えるよう,編纂を重ねてまいりました。
そして,解説内容の理解を助けるイラストを多く用いるとともに,最新の数値データ等の図表を添え,用語の意味から最新の動向までこの一冊で押さえられるよう試みております。
このように,用語の数や項目については万全を期しておりますが,読者の皆様のご指摘やご意見を頂戴し,少しでも分かりやすく使いやすい用語事典に育てていきたいと思っています。
刊行にあたっては,介護・福祉分野をはじめとし,医学や心理学,家政学に精通した多くの先生方にご執筆いただきました。この場をかり,深甚の謝意を表します。
本書が介護福祉士資格の取得を目指す方々,さらに介護実践に従事されている方々に幅広くご活用いただければ幸いです。
2023年2月
福祉教育カレッジ
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