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Q&Aで理解する電気化学の測定法

読みやすい1問1答形式で電気化学測定の「急所」を解説!
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Q&Aで理解する電気化学の測定法

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(社)電気化学会 編
逢坂哲彌(早稲田大学理工学術院教授) 編著
跡部真人(東京工業大学大学院総合理工学研究科准教授) 編著
著者一覧
[みみずく舎:発行]

A5判,224頁,1色刷
2009/11/26発行
¥2,640(本体¥2,400+税¥240)
ISBN 978-4-87211-980-0
電気化学会発行の“Electrochemistry”誌〈測定法Q&Aシリーズ〉の記事を、学会最前線で活躍中の同誌編集委員が、新規項目を追加しつつ再編成。
電池・腐食防食・表面処理・めっき・エレクトロニクスの実装など幅広い分野を扱い、今後新たな応用・先端分野への利用拡大も期待される電気化学。その基本を支える測定法のポイントを集大成。
実際の測定で直面する疑問や問題の解決法を、わかりやすく解説。

 電気化学測定法に関する書籍はいろいろな種類のものが出ていますし,いろいろな角度からいろいろな解説がなされていて,それだけ多くのニーズがあることがうかがわれます.
 ちょうど私が電気化学会会長をしているときに,以前よりお付き合いのあった編集者から,「新しく会社をつくって,非常にわかりやすいシリーズ本を手掛けています.電気化学の分野でもこのような書籍をぜひつくりたいのですが」という依頼がありました.当時の電気化学会誌編集委員の幹事の方々にご相談したところ,電気化学会で電気化学測定法の記事をまとめた冊子を何冊かつくっていて,ちょうどその次の冊子として,測定法のQ&Aシリーズをまとめる時期なので,これをわかりやすくまとめ直すのが一番有効な成果になるのではないでしょうか,という結論となり,この本が製作されるきっかけとなりました.
 学会誌編集委員となっている方々は,皆さん電気化学の最前線でご活躍されていて大変お忙しく,さらには,数年来電気化学会において集められていた測定法の解説記事を集約し,読者レベルを統一して補足や追加を行うという作業も加わり,記事原稿を執筆された各先生方から了解をとったり,あるいはQ&A形式で書かれたものではなかった記事の中から重要な事項をQ&A形式にまとめ直すというプロセスも入ったりして,完成までに思ったよりも時間がかかってしまいました.基本的には読者にわかりやすく,なおかつ,電気化学分野の測定を始める方,あるいは次の電気化学分野を担う方にそのポイントを受け継げるような内容でQ&Aをまとめたいということから,すでに書かれた原稿をもとにしていても,編集委員の方がかなり大胆に大幅な改訂,加筆修正に努力され,原著者にご許可をお願いしご理解いただいて,再編成,かつ,新しい内容の追加をいたしました.このような編集委員の努力の結晶としての集大成が,本書『Q&Aで理解する電気化学の測定法』として出来上がったわけであります.
 電気化学の分野は,もともとは熱力学の確立,それから電池や燃料電池,腐食防食,電気化学センサ,表面処理・めっき,エレクトロニクス実装,電解合成などと間口が広い学問分野であり,今ではさらにいくつかの新分野が立ち上がってきています.特に測定法としては,大きな電気化学分析法という分野が控えています.このような測定法が,現在では環境,エネルギーの問題により,電池の再見直し,また,その利用分野の拡大,そういったことから大きな研究分野として利用者の拡大が予想されています.また,新しい測定法が次々に加わり,従来の基本的な測定法にプラスアルファとなる,より正確な,かつ,より複雑な系の解析ができるようになってきています.
 結論的には電気化学測定法は,表面・界面の評価であり,それをいかに上手に測定解析するかということから新しい分野の開拓が起こってきています.この表面・界面を立体的に,三次元的にとらえるものとして蓄電池や燃料電池,また,二次元的にとらえるものとして電気化学センサや新しい界面設計といった学問体系が確立されていくでしょう.それに加えて,応用分野としては,新しい系として,バイオ系,あるいは医療系,そしてさらには,エレクトロニクス分野の先端分野に至るまで,多くの分野へと広がっています.
 このように,常に古い分野から新しい分野までを革新的に扱う電気化学が,基本としては測定法で支えられていることは確かといえるでしょう.本書が,電気化学に関係する分野の方のテキストとして大いに役立ち,新たな研究開発の一助となることを願ってやみません.
 本書を製作するに当たり,久しぶりに,若手といいますか,私より若いトップレベルの電気化学分野で活躍する編集委員の先生方と,缶詰合宿の形で企画をまとめたりして,若い時代に時間を忘れて書籍を執筆したり,研究ディスカッションをしたりしたことを思い出し,そうした集中した楽しい時間の中で,思わず追加の執筆項目をいくつか引き受けてしまったという経験をすることもできました.
 最後になりましたが,本書は,編集委員とみみずく舎編集部の大いなる情熱のもとに出来上がったと感じております.また,特に企画代表の京都大学の加納健司先生,編集幹事の東京工業大学の跡部真人先生には,全体の文体統一をはじめ,本書をまとめるに当たり,多大なるご尽力を賜りました.ここに,編集委員の皆様と編集部に厚く御礼を申し上げます.

 2009年10月
 編集委員長 逢坂哲彌

目次

Ⅰ 電気化学の基礎
 ネルンスト式
  Q1 ネルンスト式には,本によってまちまちの表現がありますが,どれがよいのでしょうか.
 標準電極電位
  Q2簡単には測定できそうにない酸化還元系の標準電極電位の値は,具体的にどのようにして決められたのでしょうか.
 固体電解質系の電気化学測定
  Q3固体電解質の電気化学測定に関して,具体的な参照電極の材質の選び方や最適な設置位置などについて教えてください.
 電極間の内部電位プロファイル
  Q4平衡時および電解時の電位プロファイルはどのようになるのか,また,それをもとに,2電極と3電極の意義とその使い分けについて解説してください.
 ポテンシオスタットの必要性
  Q5電池はプラスとマイナスの2本の電極を使うだけなのに,電位規制法ではなぜポテンシオスタットを用い,電極が3本必要なのでしょうか.
 キャパシターの容量
  Q6キャパシター素子の容量をおおよそ見積もりたいとき,電極を3電極式セルで測定した容量(F g−1)の値を4で割りなさいと教わりました.4で割り算をする理由が教科書などでは紹介されておらず,理解しづらいと聞くので,教えてください.

Ⅱ 電気化学測定
 定常法
 回転リングディスク電極(RRDE)測定
 ポテンシャルステップクロノアンペロメトリー
 サイクリックボルタンメトリー
 サイクリックボルタモグラムの形状とトラブルの原因
 メディエータ型酵素触媒機能電極反応
 固体・液体試料の導電率測定
 直流法による導電率測定
 交流法による導電率測定
 交流インピーダンス法
 交流インピーダンス測定の基礎
 電池系の交流インピーダンスにおける等価回路
 電池系の交流インピーダンス応答と解析
 電池系の交流インピーダンス測定における注意点
 交流インピーダンス法による固体電解質のイオン導電率測定
 交流インピーダンス法によるイオン導電率解析のための等価回路
 ノンブロッキング電極に挟まれた固体電解質の交流インピーダンス法
 交流インピーダンス法による高分子固体電解質のイオン導電率
 ナイキストプロットにおけるつぶれた半円

Ⅲ 電気化学過程のその場(in situ)測定
 その場(in situ)測定
 紫外・可視分光法(UV−Vis)
 赤外分光法(IR)
 赤外反射吸収分光法(IR−RAS)と表面増強赤外分光法(SEIRAS)
 質量測定法(EQCM)
 走査型プローブ顕微鏡(SPM)
 走査型トンネル顕微鏡(STM)
 原子間力顕微鏡(AFM)
 原子・分子スケール観測における注意点

Ⅳ 装置・材料など
 参照電極の作製
 金属の単結晶作製(Clavilier法)
 金属単結晶電極の作製
 真空蒸着による金属単結晶面電極
 薄膜電極の自作
 炭素電極への官能基の導入法
 自己集合単分子膜
 自己集合単分子膜の特性
 自己集合単分子膜の電気化学的利用
 電気めっきを行う際の設定電流
 精密めっき
 めっきの添加剤
 イオン液体
 固体高分子形燃料電池(PEFC)の測定

Ⅴ 電気化学関連書籍および機器

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