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化学
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役にたつ有機微量元素分析

品質管理から構造決定のための元素分析に関する有用な情報を提供。ノウハウやバックグラウンドとなる知識,実験例・実施例をQ&Aを交えて具体的に解説した実用書
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役にたつ有機微量元素分析

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内山一美(首都大学東京教授) 監修
前橋良夫(田辺三菱製薬株式会社)監修
(社)日本分析化学会有機微量分析研究懇談会 編
著者一覧
[みみずく舎:発行]
B5判,208頁,1色刷
2008/12/10発行
¥3,520(本体¥3,200+税¥320)
ISBN 978-4-87211-905-3
有機微量分析は元素組成推定のための手段だけでなく、品質管理や構造決定のための重要な手法として必要性がますます高まってる。本書では、原理、方法、実際例、ノウハウやバックグラウンドとなる知識などをQ&Aをまじえて、必ずしも元素分析を専門としない研究者・技術者・学生・大学院生や現場で分析操作をする人が理解できるように解説。
分析化学の「基礎中の基礎」であるてんびん(天秤)については、その原理と質量測定の実際を記載。
つぎに、有機微量元素分析の中で汎用の炭素、水素、窒素の分析について、原理・分析の準備・操作・保守及び実際の装置の特徴を平易かつ実用的に記載。
無機成分の分析で要求の多いハロゲン、硫黄の分析については分析の原理、操作、前処理、実施例とそのコツを記載。
おわりに、元素分析の際の妨害元素について便利な一覧表を巻末に掲載。

 近年科学技術が急速に進展した.ナノテクノロジーや光通信,先端医療などの技術の基礎のほとんどは新規材料の創出,高性能化,高機能化など化学研究の成果に基づいている.化学研究の基礎中の基礎ともいわれる分析化学は,物質の構造や機能の定量的な測定や解析,存在量の把握などの手段を提供し,化学研究を進める上で必須の学問である.分析化学者以外の例えば,合成化学者・物理化学者・環境科学者の研究活動時間の多くは分析化学を利用した研究であることに異論を唱える人はいないであろう.
 世界のグローバル化により,人やものの国境がなくなりつつある.それに伴い人々の価値観が変化し,旧来の化学研究の体制も激変しつつある.効率化の名のもとに不要・不急と思われた部分が縮小・廃止され,化学研究を進める上で本来必要な最低限の人員の確保さえも困難となっている.化学研究を進めるための前提条件として必須な部分までも切り詰めてしまったようにも思われる.
 これまで多くの大学や研究所では,付属機関として機器センターを設置し,専門の従事者をおいていた.しかし,現在大学では学内の独立機関として半独立採算的に委託分析または受益者が機器操作を負担するケースがほとんどであり,しかも実施は,大学院生や非常勤職員などの非専門家により行われているケースが多い.特に有機微量分析は元素組成の推定のための補助的手段として利用されるばかりでなく,品質管理や構造決定のための重要な情報を与える手法として益々その必要性が高まっている.しかし,実際の分析現場では経験豊富で,高い技術を持った分析技術者が不足し,学生や非専門の化学者が測定をしていることもあり,十分な精確性をもって分析が実施されていない.また専門の技術者がいる場合でも元素分析以外の業務に忙殺されている.さらにこれまで分析業務に携わってきた専門家が次々にリタイヤし,これまで蓄積してきた多くの優れた技術・ノウハウの伝承が困難になりつつある.また,従前のような専門家によらない分析であることから,分析結果の前提である機器の保守・維持管理による最適化や試料形態に応じた機器や前処理の最適化・工夫などがなされていないことが多い.
 我が国で急速に進んでいる上記のような状況を鑑み,有機微量元素分析のノウハウやバックグラウンドとなる知識を,実施例やQ & Aなどの身近な例を挙げて解説し,必ずしも元素分析を専門としない化学系の研究者・技術者,学生・大学院生,さらには元素分析の講習を受けたけれど実際の分析をして行き詰まった方々などの,現場にいて分析操作をする人にとって有用な本となるよう企画した.
 本書は日本分析化学会有機微量分析研究懇談会が主体となって企画し,例年シンポジウムを共催している計測自動制御学会力学量計測部会,元素分析技術研究会,有機微量分析ミニサロンなどの研究会のメンバーを執筆者とした.
 本書は以下のような構成となっている.
・第1章は分析化学の基礎となるてんびん(天秤)の原理と質量測定の実際について記した.本章は有機微量分析ばかりでなく,広く一般の物質のひょう(秤)量にも役立つものである.
・第2章は有機微量元素分析のうち汎用の炭素,水素,窒素の分析に的を絞り,その原理,分析の準備,操作,保守及び実際の装置の特徴などについてわかりやすく示した.
 なお本章の一部は前有機微量分析研究懇談会顧問の本間春雄先生のご執筆によるものだが,本稿が遺稿となってしまったことは大変残念である.
・第3章は無機成分の分析で特に要求の多いハロゲンおよび硫黄分析について,加熱銀吸収法,酸素フラスコ燃焼法,イオンクロマトグラフ法による分析の原理,操作,前処理,実施例とそのコツについて示した.
 いずれの章にも実験者が実施する上でいだくであろう代表的な疑問をQ&Aという形でまとめてある.これらは元素分析技術研究会,有機微量分析ミニサロンにおいて過去十数年にわたり蓄積されてきたものをまとめ直したものである.
 最後に本書の企画,編集から出版に至るまで多大なご尽力をいただいたみみずく舎/医学評論社編集部諸氏にお礼申し上げます.また,本書の企画段階から種々のご協力をいただいた日本分析化学会有機微量分析研究懇談会前委員長栗木武男先生,現委員長関宏子先生はじめとする皆様に感謝いたします.
 平成20年10月

監修者 内山 一美
前橋 良夫

目次
1. てんびん
 はじめに
 1.1 原 理
  1.1.1 機械式てんびん
  1.1.2 電子てんびん
 1.2 質量測定
  1.2.1 測定原理
  1.2.2 表示のばらつきの改善
  1.2.3 偏り誤差の解消
  1.2.4 てんびん室の環境
  1.2.5 てんびんの品質管理
  1.2.6 質量測定の不確かさ評価
 Q & A
2. 炭素・水素・窒素・硫黄はじめに
 2.1 原 理
  2.1.1 はかり取り操作
  2.1.2 分解・酸化
  2.1.3 燃焼分解ガスの分離方法
  2.1.4 試料ガスの検出方法
  2.1.5 定量計算
  2.1.6 標準試料
 2.2 準 備
  2.2.1 ガスボンベと装置の接続
  2.2.2 燃焼管
  2.2.3 還元管
  2.2.4 吸収管およびガス精製管
  2.2.5 試料容器
 2.3 測定における注意事項
  2.3.1 はかり取り操作
  2.3.2 空試験値
  2.3.3 検量線および感度係数
  2.3.4 捨て焼き
  2.3.5 妨害元素
  2.3.6 安定同位体を含む試料
  2.3.7 測定結果の取扱い
 2.4 装置保守
 2.5 装置の特徴
  2.5.1 Elementar
  2.5.2 Thermo Finnigan
  2.5.3 ジェイ・サイエンス・ラボ
  2.5.4 住化分析センター
  2.5.5 PerkinElmer
  2.5.6 ヤナコ分析工業
  2.5.7 EuroVector
  2.5.8 LECO
  2.5.9 EXETER
 Q & A

3. ハロゲン・硫黄はじめに
 3.1 原 理
  3.1.1 分 解
  3.1.2 溶解法
  3.1.3 分離/検出
 3.2 前処理および操作
  3.2.1 はかり取り操作
  3.2.2 燃焼分解
  3.2.3 滴定法
  3.2.4 イオンクロマトグラフ法
  3.2.5 実験のコツ
 3.3 装置の特徴
  3.3.1 滴定装置
  3.3.2 イオンクロマトグラフ
  3.3.3 自動燃焼型装置
 Q & A

付 録 妨害元素の化合物表

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