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化学
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化学プロセスの安全 2.プロセスの設備安全 ― 解説・事故例とQ&A

プロセスの設備や設計と安全,事故例と原因等について74のQ&Aで解説!

化学プロセスの安全 2.プロセスの設備安全 ― 解説・事故例とQ&A

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   紙書籍 
特定非営利活動法人 安全工学会 監修
特定非営利活動法人 災害情報センター 監修
[みみずく舎:発行]
執筆者
A5判,176頁,1色刷
2013/11/28発行
¥2,640(本体¥2,400+税¥240)
ISBN 978-4-86399-222-1
石油精製や化学産業などの化学プロセスの現場の設備面での安全の基本をQ&A形式で解説。
点検や保全管理の問題だけでなく、安全設計や安全設備・安全機器などの安全の原点について解説。
設備の危険源とレイアウトについて言及。
腐食防食、疲労など設備の材質について解説。
単位操作機器と事故例について解説。

 化学プロセスの安全は運転,設備そして取り扱われる物質からの総合的な技術の基盤に立って成り立つものである.先の2012年6月に出版したプロセスの運転安全に引き続いて,このたび化学プロセスの設備安全を出版することで安全管理の基本事項の二本柱が揃ったことになる.現在,現場における安全管理の基本事項が伝承されにくく,また安全を確保していくための職場の風土と技術が少しずつ崩れかけつつある状態ではなかろうか.
 このような中で運転安全とともに設備安全の基本を今一度振り返ることにより,新たな設備安全の出発点にしてもらいたいと考えている.

 最近の化学産業では,重大な事故が連続して発生するなど現場の安全が揺らいでいるといえよう.このような事故は運転面,設備面,物質面に加えて,組織や現場での安全文化について様々な問題点を提起しているが,設備安全に係る事項では,点検や保全管理の問題だけでなく,安全設計や安全設備・安全機器などの安全のあり方の原点に返って考えなければならないことを示唆している.
 そこで,化学産業や石油精製など化学プロセスの現場における設備面からの安全の基本項目について,項目を整理し,Q&A方式で判りやすく説明するとともに,項目ごとに実際の事故例を簡潔にまとめた.

 まず,Ⅰでは設備の危険源とレイアウトの決め方,プロセス設計や安全設計について設計と安全に関する事項を述べた.続いてⅡでは反応器,撹拌器,熱交換器,配管,蒸留塔に関して単位操作機器と事故事例を,次にⅢでは用役,冷凍水,入出荷設備について,Ⅳではコンプレッサーやタービン,ポンプに関する事項を述べた.さらにⅤでは腐食防食,疲労,FRPなど設備の材質面に関して,Ⅵでは受電設備や電気ケーブルなどの電気設備,センサー類や調節弁等の計装設備を,Ⅶでは保全管理と工事の安全について,最終のⅧではプラントの安全対策に関する事項を述べた.

 本書は若い人たちが読みやすく理解しやすいように工夫したつもりであり,化学プロセスの現場や指導者の方々にも広く理解され,現場の安全活動に有効に活用され,化学プロセスの安全に役立てていただければ,大いによろこびとするところである.
 なお,本書は出版までかなりの年月を要したが,当初から,数多くの会社の方々の熱心なご協力を戴けたことに対し厚く感謝の意を表します.

 おわりに,本書の出版にあたり企画,編集などにおいて多大なご尽力いただいた,みみずく舎/医学評論社の編集部諸氏に厚く御礼申し上げます.

  2013年10月

岩田 稔     
若倉 正英  
清水 健康  
井田 敦之  

目次
Ⅰ 設備の設計と安全
 −設備の危険源の特定とレイアウト−
Q1 危険源特定とリスクアセスメントは
Q2 レイアウトや保安距離の決め方は
 −設備設計と安全−
Q3 プロセス設計での安全性の確認は
Q4 プロセスの安全設計とは
Q5 設計圧力と設計温度はどう決める
Q6 安全弁の設置場所や吹出し容量はどう決める

Ⅱ 単位操作機器
 −反応器−
Q7 反応器のコントロールと安全対策は
Q8 反応器の温度調節の仕組みは
 −撹拌器−
Q9 撹拌器の種類と構造は
 −加熱炉−
Q10 加熱炉設備の安全管理と点検は
Q11 加熱炉チューブのコーキングへの対応は
 −熱交換器−
Q12 熱交換器の形式とその取扱いは
Q13 循環式工業用水冷却器の管理は
Q14 海水冷却器チューブの腐食と対策は
 −配管−
Q15 配管設計上の注意点は
Q16 行き止まり配管の腐食は
Q17 配管の取出しノズルの損傷は
Q18 地下埋設配管の管理は
 −蒸留塔−
Q19 蒸留塔の腐食,損傷は
 −槽,貯槽−
Q20 大型タンクの種類と構造設計は
Q21 貯槽の地震対策は
Q22 フランジやリング溝とボルトの管理は
 −事故事例−
Q23 ガソリン装置の反応器の損傷と注意点は
Q24 灯軽油脱硫装置の反応器の損傷と注意点は
Q25 重油脱硫装置の反応器の損傷と注意点は
Q26 BLC型熱交換器の損傷と注意点は

Ⅲ 用役,冷凍設備,入出荷設備
 −蒸気設備−
Q27 ボイラーの純水,蒸気の及ぼす影響は
 −冷凍水設備−
Q28 冷凍機器と保冷対策は
 −海上入出荷設備−
Q29 桟橋設備の管理は
Q30 係留ブイ,マリンホースなどの管理は

Ⅳ 駆動機器
 −コンプレッサー−
Q31 遠心コンプレッサーの取扱いは
Q32 往復動コンプレッサーの取扱いは
 −タービン−
Q33 蒸気タービンの取扱いは
Q34 蒸気タービンブレードの破損と安全は
Q35 ガスタービンの取扱いの注意点は
 −ポンプ−
Q36 遠心ポンプの取扱いの注意点は
Q37 ポンプ周りの安全設計は

Ⅴ 機器の材質
 −設備の腐食,防食,疲労−
Q38 運転条件と設備の腐食,劣化は
Q39 防食管理は
Q40 外面腐食とその対策は
Q41 鋼の疲労強度と損傷事例は
 −ステンレス鋼等の腐食と損傷−
Q42 ステンレス鋼の応力腐食割れと事例は
Q43 異種金属接触腐食と事例は
Q44 FRPタンクの劣化と注意点は

Ⅵ 電気,計装設備
 −受電設備−
Q45 受電設備の安全対策は
Q46 電気の保安確保の仕事は
Q47 停電・復電作業の安全管理は
 −変電設備−
Q48 変電設備の取扱いは
 −電気盤−
Q49 現場スイッチ類の管理は
 −電気ケーブル−
Q50 高圧ケーブルの取扱いは
Q51 ケーブル火災の対策は
 −避雷設備−
Q52 避雷設備設置上の注意点は
 −センサー類−
Q53 圧力計器の取扱いは
Q54 温度計器の取扱いは
Q55 ガス検知器の種類と特徴は
Q56 酸素濃度計の種類と特徴は
Q57 火災検知器の種類と特徴は
 −コントロール設備と分散型制御システム(DCS)−
Q58 DCSの管理は
Q59 現場計装機器の取扱いは
Q60 現場センサー信号用変換器の取扱いは
 −調節弁−
Q61 調節弁の取扱いは
 −安全弁−
Q62 安全弁の取扱いは
 −緊急遮断弁−
Q63 緊急遮断弁の取扱いは

Ⅶ 保全・設備管理
 −日常点検と専門保全−
Q64 日常保全の内容と管理は
Q65 設備の保全管理システムとは
Q66 機器,配管,架構等の塗装管理は
 −工事の安全−
Q67 工事の安全管理は
Q68 工事中の危険防止対策は

Ⅷ プラントの安全対策
Q69 緊急遮断システムとは
Q70 非常用電源設備の種類と構造は
Q71 危険物の種類と防消火設備は
Q72 静電気による着火爆発の防止は
Q73 大型タンクの安全設計と安全対策は
Q74 変更管理の問題点と対策は

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