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これは,看護師国家試験問題のなかで,本書が対象とする「健康支援と社会保障制度」分野からの出題割合を表した数値です。看護師国家試験問題は例年240問出題され,小社の集計では,そのうち10問程度が出題されているためです。
これを多いとみるか,少ないとみるか。この判断は,看護師国試対策を効率的に進めようとする際には重要なポイントではあります。
しかし,それだけが重要ではありません。
10問程度という数値を多く感じたとしても,その逆であったとしても,この分野からの出題は確実にあるからです。そうであれば,さらに重要なポイントは,なぜ「健康支援と社会保障制度」という分野が必要なのかという視点ではないでしょうか。
さて,このたび,平成26年版から平成30年版へと出題基準が変更となりました。本書はこの変更を踏まえて,編集しています。
例えば,この分野へ新たに追加となった小項目としては,以下のようなものがあります。
「
地域包括ケアシステム」「
マイナンバー制度」「
更生相談所」「
障害者雇用促進法」「
障害者差別解消法」「
依存症対策」「
ポピュレーションアプローチ,ハイリスクアプローチ」「
薬剤耐性菌感染症」「
人獣共通感染症」「
栄養士法」「
地域包括支援センター」などです。
また,部分的に追加となった小項目としては,「少子化,晩婚化,晩産化」「母子及び父子並びに寡婦福祉法」「毒薬・劇薬・麻薬・血液製剤等の取り扱い」などがあります。
他方で,これまで中項目として取り上げられていた項目が小項目へと変更となった「保健師助産師看護師法」などもあります。
こうした出題基準の変更が,実際の試験問題へどのように反映されるのかは分かりませんが,一度確認しておく必要はあると思われます。
本書は,読者の皆様が看護師国試対策をより効率的に進めるため,各先生方の協力をもとに編集されたものです。イラストを収載し,わかりやすく,またコンパクトに設計されています。ぜひ,本書の活用を起点にして,看護師国家試験の無事な合格はもとより,その後の看護師という職業人としての気概や問題意識を育んでほしいと思います。
よく「病気を診ずして病人を診よ」と言われます。では,「健康支援と社会保障制度」分野の場合にあてはめて考えたとき,(数値の重要性を理解した上で)こう言えるのではないでしょうか。「数値をみずして背景をみよ」―。
2017年10月
テコム編集委員会