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『SUCCESS』シリーズ2018
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サクセス’18 医師国試既出問題集 公衆衛生

第111回国試を完全収載! 早期準備に対応した「公衆衛生」対策のニュータイプ!

サクセス’18 医師国試既出問題集 公衆衛生

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   紙書籍 
一杉正仁(滋賀医科大学社会医学講座教授)編著
加藤貴彦(熊本大学大学院生命科学研究部公衆衛生学分野教授)編著
西脇祐司(東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野教授)編著
野見山哲生(信州大学医学部衛生学公衆衛生学教室教授)編著
村瀬訓生(東京医科大学健康増進スポーツ医学分野兼任准教授)編著
B5判,576頁,2色刷
2017/06/29発行
¥4,180(本体¥3,800+税¥380)
ISBN 978-4-86399-406-5
新ガイドラインに対応! 第111回医師国試問題116問を完全収載!
正答率がアドバイス! 公衆衛生全領域をカバーする厳選問題576問!
合否を決めるKey問題を「V指数」が明示!
国試対策レジュメ284本をグレードアップ!
国試のエッセンス512の正文をまとめてSpeed Check!
CBT対策も万全! 最新の医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)対照表を掲載!
    [正誤情報]

はじめに
 医師国家試験は,第95回から出題問題数が500題(試行問題を除く)となりました。そして,第112回からは400問となり,2日間で実施されます。合格基準については必修領域で絶対基準(得点率80%),一般および臨床実地領域では相対基準が導入され,医師国家試験合格率は全体で90%前後です。すなわち,従来考えられていた,約60%の得点率で合格できるという考え方は通用しないのです。いわば競争試験となっています。そのためには,基本的かつ重要事項についての問題を確実に正解することが求められるようになりました。医師が医療の場に第一歩を踏み出す際に最低限必要な基本的事項は,正確に理解しておく必要があるのです。
 さて,この『サクセス ’18 公衆衛生』で扱うのは,公衆衛生学,衛生学,法医学,医療倫理といった社会医学関連の問題です。この領域の問題は,近年,相当数が出題されています。第109回では500問中73問(14.6%),第110回では500問中87問(17.4%),そして第111回では500問中89問(17.8%)と増加していました。これらの問題を詳細に分析すると,必修領域100問(C,F,H問題)のうち20.0%,一般問題200問の27.5%,臨床問題200問の7.0%が社会医学関連の出題でした。

 さらに,生活習慣病や感染症の臨床問題のように他科と公衆衛生とクロスオーバーしているような設問も合わせると,すぐに100問くらいは数え上げることができます。「医学総論」の「保健医療論」と「予防と健康管理・増進」の国試出題割合を確認すると,旧ガイドラインで23%(200問中46問),平成30年版新ガイドラインでは30%(150問中45問)となっています。すなわち問題数の目安はほぼ変化がありません。500問中100問が,来年の第112回からは400問中100問となり,国試のじつに1/4が公衆衛生関連とも考えられます。したがって,これらの問題を正確に解答できるかどうかが,医師国家試験合格の鍵を握っているといっても過言ではないのです。
 社会医学の内容は単に知識を詰め込むのではなく,基礎医学や臨床医学の知識を元に,広い視野で論理的思考を必要とします。本書では,重要ポイントをわかりやすく整理しましたので,皆さんの問題解決能力を高めるのに十分役立つと考えています。
 本書を有効に活用して,重要事項を整理し,さらに過去に出題された国家試験問題を繰り返し解答してください。国家試験だけではありません。医療倫理を含めた社会医学的な内容は,医師になって,まず必要となる基本的事項であるため,一生涯の勉強として取り組んでください。また,本書は卒前教育のバイブルとして,共用試験(CBT)や学内の進級試験にも十分に活用できます。医師国家試験は医師として活動するための資格試験であり,万難を排して合格しなければなりません。この本が,皆さんの国家試験合格に役立つことを大いに期待しています。

 平成29年6月

編集 一杉正仁  


V指数とは?
 「サクセス'18 公衆衛生」では,各問題がどれくらい合否に影響するかを分析した「V 指数」を公表しています。それについて解説しておきましょう。

 多選択肢問題の良否を決めるのに,一般的に識別指数という数値が使われています。識別指数を求めるには,まず全受験者の成績順に4つのグループに分けます。次いで,ある問題について,

成績上位者
(上位1/4のグループ)
の正答率に基づく指数
成績下位者
(下位1/4のグループ)
の正答率に基づく指数

の差を求めます。成績上位者の方が正答率が高いのが当然ですから,この数値が0付近の問題は学力差を反映しない問題,マイナスの問題は成績下位者の方が出来が良いことになりますので「何かおかしい」問題という判断になるでしょう。識別指数は高ければ高いほどよいわけで,最高値は1.0です。実際に1になることはまずありません。0.15から0.2を超えると,いわゆる良問とされます。このように識別指数は合理的な問題の判定基準ですが,成績中位者のデータは生かされておらず,アバウトな指標ではあります。

 我々も長年,識別指数をもとに問題を分析してきました。しかし,それだけでは,どうもこぼれてしまう情報があることも実感していました。例えば,同じような正答率,識別指数の問題でも,合否に与える影響には差があるような印象を持っていました。そこで,数年前から,もう少し細かく分析する作業を進めてきており,その作業結果を公表しています。

 この識別指数をさらに精密にしたのがV指数(統計学的には点双列相関係数)です。コンピューターによる解析で,全体の成績と個々の問題の関係を綿密に分析した数値です。V指数が0.2を超える問題は合否を分ける問題と考えてよいでしょう。特に0.3を超える問題は重要です。
 さらに,我々は成績順に5つのグループに分け(合格者の成績が良い順にLev4〜Lev1と不合格者),各グループの正答率を検討するという作業を進めてきました。すると,同じくらいのV指数の問題でも,例えば

(1) 最上位(Lev4)のグループはそこそこできているが,次のグループ(Lev3)から正答率が急降下する
(2) 上位〜中下位(Lev4〜1)のグループまではそこそこできているが,不合格者(Fail)のグループで正答率が急降下する


というタイプ(もちろん他のタイプもあります)に分かれることがわかりました(グラフ参照)。


   

             (104G-42,正解a)

(1)最上位(Lev4)のグループは正答率が高いが次のグループ(Lev3)から正答率が急降下する問題
   
              (104B-13,正解b)

(2)不合格者(Fail)のグループで正答率が急降下する問題

 (1)やや難しい問題ということになります。安心して合格するためにはもちろんマスターすべき問題ですが,基本が固まってからもう一度検討すると題意がよくわかり,学習効果が高いでしょう。こういう問題には,最初勉強したときには付箋でもつけておき,学習が完成してきた段階で再検討するとよいでしょう。他方,(2)不合格になる層に共通した弱点で,こういうタイプの問題は基本を固める時期から克服しておく必要があります。

 また,

(100F-9,正解a)

 このようなX字型のグラフを示す問題では,成績上位者が選びやすい選択肢と,成績下位者が選びやすい選択肢が全く異っています。このような問題でいつも(──)でなく(━━)を選べるようになれば成績はグンと上昇するはずです。

 このように,データを生かすことで学習の優先度をつけることができ,効率よく受験準備を進めることができます。

 データ解析を始めた第100回国試以降の

①V指数が0.3を超える問題
②特徴的な傾向を示す問題
③採点除外問題

についてはグラフで成績を示しました。このグラフを見れば受験生の傾向が一目でわかります。このグラフをフルに活用して無駄なく受験準備を進めてください。


本書の特徴
 本書の特徴は以下の5つです。

1.第111回問題を多数収載し,新傾向問題へ対応

 社会医学的学習内容は時代の変化(社会の出来事,トピックス)とともに変遷していきます。したがって,直近の第111回国家試験出題問題を116問収載し,専門家による内容の解析,新傾向問題への対応などを加えました。比較的古い出題でも,執筆者が特に重要と判断した問題は収載されています。

2.繰り返し出題が予測される重要問題を厳選

 国家試験では,医師として具有すべき最低限の知識が要求されています。したがって,重要な箇所は毎年繰り返して出題される傾向です。編集において“繰り返し出題”“稀な出題”を明らかにしました。そこで,問題を解く際には「プール問題」や「類似問題」の表記を参考にしてください。さらに本書では重要度の高い問題を,科学的手法も併せて厳選し,受験生が最低限度解いておかなければならない問題のみを収載しました。

3.各領域の専門家による質の高い編集

 公衆衛生学,衛生学,法医学,生命倫理の専門家が集まって編集・執筆を行い,内容の質を高めました。また,最新のガイドラインに準拠しながら受験生が学習しやすい構成としました。

4.知識の確認,Speed Check!の活用

 領域ごとに要点を確認すべく,まとめのページを加え,巻頭には「Speed Check!_512」を設けました。自らの学習過程において,漏れがないかを確認し,さらに知識を磐石なものにするために活用できると考えています。

5.合否のKeyとなるV指数を掲載(☞ iv)

 近年の国試問題について約6,000人の受験者の正答率等を詳細に分析し,科学的にV指数を導き出しました。勉強の完成度を確認するセルフチェックに利用できます。
 この1冊で国家試験のみならず,卒業試験や共用試験(CBT)等にも十分対応できます。繰り返し解答することで大いに活用していただきたいと思います。

目次
Speed Check!_512
医師国家試験出題基準(平成30年版) 対照表
CONTENTS(掲載問題内容一覧)
重要な統計指標
カラー口絵

Ⅰ 必修の基本的事項 112問

1 医師のプロフェッショナリズム
2 社会と医療
3 診療情報と諸証明書
4 医療の質と安全の確保
5 医療面接
6 死と終末期ケア
7 チーム医療

Ⅱ 保健医療論 74問

1 健康・疾病・障害の概念と社会環境
2 社会保障制度と医療経済
3 がん対策
4 地域保健,地域医療
5 国際保健

Ⅲ 予防と健康管理・増進 390問

1 予防医学と健康保持・増進
2 人口統計と保健統計
3 疫学とその応用
4 母子保健
5 高齢者保健
6 精神保健福祉
7 感染症対策
8 国民栄養と食品保健
9 学校保健
10 産業保健
11 環境保健

医学教育モデル・コア・カリキュラム 対照表

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