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バイオ研究施設のデザイン手法

バイオテクノロジーの目覚ましい発展に伴い求められる,高機能な先端研究実験施設設計の概念から実践までを丁寧に解説!

バイオ研究施設のデザイン手法

品切れ
特定非営利活動法人 バイオメディカルサイエンス研究会 編

[みみずく舎:発行]
B5判,176頁,1色刷
2011/08/29発行
¥3,080(本体¥2,800+税¥280)
ISBN 978-4-86399-099-9
バイオテクノロジーの発展に伴い求められる,高機能な先端研究実験施設設計の概念から企画・設計・施工・維持管理・運営までを実用的に解説。
研究実験従事者と地域社会環境の双方にとっての安全性と,研究実験の能率化を両立させる施設のデザイン手法を追求。
大地震や,病原微生物の取り扱いによるバイオハザードや感染症,さらに,放射性物質を扱う実験,遺伝子組み換え実験など,さまざまな状況・局面を想定した,施設設計上の具体的な対応策を紹介。

 近年のライフサイエンス分野は,遺伝子治療,再生医療,予防医療,難治性医薬品開発などの研究・開発で人類の福祉社会に大きく貢献することが期待されている。一方,このような研究・開発に伴う安全性の確保と評価は,新たに不可欠な研究課題として発生する。研究・開発の進展と同時に安全性の確保が成立することによって,その成果が評価されることはいうまでもない。
 このような研究・開発を進めるにあたって,それをサポートする研究施設,特に実験室の構造と設備は,実験作業の能率化と実験従事者,地域社会環境および製品などの安全性を図る上で,重要視されるものである。
 最近のバイオ研究施設は,バイオロジカルクリーンルームとバイオセーフティの機能を併設した実験室が多く求められるようになっており,その設計・設備には高度の知識と技術が必要となる。施設計画にあたっては,国の関係法や基準に則るほかに,実験室の与条件を定め,実務に見合う設計がなされなくてはならない。また,実験室の設計理念としては,研究を阻害したり,あるいは物理的安全設備に過度に依存して,安全性の本質を忘れることのないように考慮しなくてはならない。

 本書は上述の考察を踏まえ,設計に臨む場合の手順書として編集したもので,大要として次の4つの項目から構成されている。
 1 設計支援の考え方
 2 設計の要素と基準
 3 設計支援システム
 4 施設計画に関わる情報収集・確認
 本書が当該施設の設計・設備に携わる諸氏の良き参考書となることを願う次第である。

 最後に,本書の編集に尽力された,みみずく舎/医学評論社の方々に謝意を表する。

  2011年7月
  監修 小松 俊彦

目次
第1章 設計支援の考え方
 1-1 バイオ研究施設の設計にあたって
  1-1-1 高度な機能をもつ先端研究実験施設の必要性
  1-1-2 設計プロセスにおける専門領域からの支援システム
  1-1-3 設計支援システムとマネージメント業務
  1-1-4 研究施設の設計に関わる専門領域の確立
 1-2 設計支援システムの考え方
  1-2-1 設計支援システムの目的
  1-2-2 設計支援システムの構成
  1-2-3 研究者の要求・要望の的確な把握
  1-2-4 設計支援システムの5つの段階の構成と役割
 1-3 高度研究施設の設計検証
  1-3-1 安全な施設
  1-3-2 高機能・高性能・高品質である施設
  1-3-3 施設としての社会性
  1-3-4 維持管理
  1-3-5 利便性・アメニティー
  1-3-6 経済性
 1-4 設計検証の基準
  1-4-1 設計検証の業務の内容
  1-4-2 設計検証に関わる理論と技術基準・標準
 1-5 BSL-4の施設への期待

第2章 設計の要素と基準
 2-1 設計検証に関わる要素と技術基準
  2-1-1 建築計画
   a.施設の計画目標の設定
   b.実験室と研究居室(L-O)の配置
   c.標準実験室のモジュール(単位・寸法)
   d.平面の構成(コア計画)
   e.断面の構成
   f.各部の仕上げ・仕様の留意点
  2-1-2 設備計画
   a.実験室の環境計画
   b.実験室の環境維持設備の条件
   c.排気・排水処理
  2-1-3 構造計画
   a.構造計画と耐震性
   b.感染症法における施設設置基準と火災防止
  2-1-4 環境計画
   a.環境アセスメント
   b.騒音・振動・悪臭に関する基準と対策
   c.滅菌・殺菌・消毒
   d.危険物の取り扱い
  2-1-5 セキュリティー計画
   a.施設の安全性の考え方
   b.トータルセキュリティーシステム
  2-1-6 コスト計画
   a.研究施設のコスト分析
   b.イニシャルコストとランニングコスト
   c.維持管理・保全に関するコスト
  2-1-7 病原体と施設機能・性能
   a.研究実験室の基本コンセプト
   b.病原体の種別と施設の対応
   c.研究実験の質に関する基準
   d.設備・機器などの機能・性能・種別(安全キャビネット・飼育ケージ)
 2-2 特殊室の技術基準
  2-2-1 クリーンルームテクノロジー
   a.工業用クリーンルーム
   b.バイオロジカルクリーンルーム
  2-2-2 バイオハザードとケミカルハザード
   a.バイオハザード
   b.ケミカルハザード
   c.気流制御と実験施設計画
  2-2-3 RI実験施設
  2-2-4 動物実験・飼育施設
   a.実験環境の把握とスペック
   b.施設の構成・機能相関モデル
   c.感染動物実験施設
   d.遺伝子組み換え動物実験施設
   e.RI実験動物施設
   f.化学物質動物実験施設
   g.動物施設設備計画
  2-2-5 実験施設の先端機能とIT技術・ナノテクノロジー
   ナノテクノロジー
  2-2-6 特殊検査・測定試験・実験室
   a.電波シールドルーム
   b.磁気シールドルーム
 2-3 法・基準・指針・ガイドライン

第3章 設計支援システム
 3-1 システムに関わる基本事項
  フェーズの設定・概要
 3-2 業務フローの要素
  3-2-1 設計条件の明確化
  3-2-2 ヒアリングシートの作成
  3-2-3 プロジェクトへの参加体制
 3-3 フェーズⅠ:企画(基本構想・基本計画)段階
  3-3-1 業務フロー
  3-3-2 企画段階の業務計画書の作成
  3-3-3 設計要求・要望プログラム
 3-4 フェーズⅡ:基本設計段階
  3-4-1 業務フロー
  3-4-2 基本設計段階の業務計画書の作成
  3-4-3 基本設計段階の設計条件書の作成
  3-4-4 検証業務の内容記録の作成
 3-5 フェーズⅢ:実施設計段階
  3-5-1 業務フロー
  3-5-2 実施設計段階の業務計画書の作成
  3-5-3 実施設計段階の設計条件書の作成
  3-5-4 検証記録の作成
 3-6 フェーズⅣ:施工(工事)段階
  3-6-1 業務フロー
  3-6-2 施工段階の業務計画書の作成
  3-6-3 施工段階の設計条件書の作成
  3-6-4 検証記録の作成
  3-6-5 中間検査確認書・最終検査確認書の作成
 3-7 フェーズⅤ:アフター(建物維持管理)段階
  3-7-1 業務フロー
  3-7-2 アフター段階の業務
  3-7-3 アフター段階の業務計画書の作成
  3-7-4 アフター段階の業務活動報告書の作成

補章
 1 施設計画に関わる情報収集・確認
  1-1 バイオ研究施設計画・設計・検証チェックリスト
  1-2 ヒアリングシート
 2 用語解説
 3 参考文献

索引

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